先日の日経新聞で、農林水産物の輸出動向について記事になっておりました。
記事の概要は、こうです。
・農林水産物の輸出は、原発事故の影響で規制する国や地域が相次いだが、現在は緩和され増加傾向にある。
・国内生産者の間では、輸出機運が高まっている。
・輸出先としては、アジア向けが70%強。香港、台湾、中国が中心。
昨年(2012年)の輸出実績は、4,497億円。
ん???少なくないか???(-_-;)
ひとつの目安として、トヨタ自動車の年商が22兆円。パナソニックが7兆円。セブン&アイが5兆円。電通が2兆円。
日本国内の農林水産物の輸出額が、日本を代表する会社の年商のごく一部にすぎないということで、ちょっと少ない印象を受けました。
ということで、ちょこっと農産物の輸出ビジネスの動向について調べてみました。
下図(農林水産省の統計データ)をご覧ください。※クリックすると拡大されます。
農林水産省/農林水産物輸出入統計
農林水産物全体の輸出が、4,497億円。
一方、農林水産物全体の輸入が、7.9兆円。
数字で表してみると、差がよくわかりますね。
さらに農産物について、チェックしていきたいと思います。
農産物の輸出が、2,680億円。
一方、農産物の輸入が、5.4兆円。
この農産物の中には、加工食品や畜産物やお米を含んでいるようです。
さらに野菜・果物に限定していくと、こうなります。
野菜・果物の輸出は、133億円。
あれ?え?たったそれだけ???(´・ω・`)
内訳がこちらです。※農林水産省でまとめていただいているのを紹介します。クリックすると拡大します。
ちなみに、りんごが33億円。輸出先は、台湾が大半です。なしも台湾が多いみたいです。いちごは香港が多いですね。
ながいもが18億円。こちらも台湾が過半です。
(参考までに、お米の輸出は、香港・シンガポールで、3分の2ほど占めています。牛乳は、中国のメラミン事件後、香港への輸出が大きく増えています。)
なるほど。
こうやって、数字を確認していくと、まだまだ日本の農産物の輸出ビジネスは、拡大余地があるのかもしれませんね。
農林水産省も、輸出戦略を検討しているようです。
農林水産省/農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略案に関する地方ブロック会議の開催について
青果物の輸出戦略(案)は、なかなか興味深いです。
ざっくりまとめるとこんな感じです。
■現状分析
<果実など>
輸出額54億円のうち、60%がりんご。輸出先は、台湾70%、香港20%。
<生鮮野菜>
輸出額20億円のうち、90%がながいも。輸出先は、台湾60%、アメリカ25%、香港10%、シンガポール10%。
<アイテム別>
りんごは有望。
台湾やアメリカでは、みかんの知名度低い。
ながいも、評価高い。■今後の目標
<数値目標>
2020年までに、79億円→250億円に拡大させる。
<重点品目と重点地域>
りんご:台湾、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム
柑橘類:カナダ、米国、台湾、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム
いちご:香港、台湾、シンガポール、タイ
ながいも:台湾、米国、シンガポール、香港、タイ、マレーシア、ベトナム、インドネシア
かんしょ:香港、台湾、シンガポール
輸出となると、供給できるエリア・残留農薬・GlobalGAP・検疫・各国の輸入規制・保存技術・物流・食文化・カントリーリスクなど、たくさんの課題が出てきます。
しかし、それを差し引いても、海外マーケットの規模を考えるとおもしろいビジネスチャンスがたくさん転がっていそうですね。
引き続き、海外マーケットの情報もご提供できるようにしていきます!!(`・ω・´)ゞ