『ビジネスと社会貢献は両立する!』

そんなキャッチコピー(と「参加費:無料」の言葉)に心奪われまして、
訪れたのは豊中商工会議所。
本日は、こちらで行われたセミナーで出会った素敵なお方をご紹介いたしましょう。

株式会社ドクター・オブ・ジ・アース 代表取締役 河村賢造さんです。2013-09-06 14.46.51
現在、「野菜ソムリエの店 のら」を経営する傍ら、農家さんと飲食店の間に立ち、コーディネート業務も行っていらっしゃいます。

河村社長は中学時代から環境保全への意識を高く持ち、その想いを現在もなお、ブレずに持ち続けておられます。大学で環境学を学んでいくなかで、農業の活性化こそ環境保全に繋がるのではないか、と考えるようになりました。
そして、農業活性化の手段として、まず、こだわり野菜の販売店を立ち上げました。
一般的に多く流通している青果物よりも美味しくて、高品質な青果物が、市場に埋もれてしまっている現状を、どうにかしたいと考えたからです。

事業をスタートするにあたり、たくさんの農家さんのもとを訪れていくと、決まって聞くのはこの2つの声だけ。
「何作ったら売れるの?」「売ってきてよ!」
そんな想いに応えるため、農家さんと消費者をつなぐことを使命とし、河村社長自らが車を走らせ、販売店で聞く消費者の声を農家さんに届け、また、農家さんのこだわりを消費者に伝えていたそうです。
例えば、現在お店で最も売れている商品、甘いトマト。
もともと販売していたトマトの味とは異なります。
昔から農家さんや売場に根付いている感覚からすると、酸味と甘みのバランスが取れたトマトがよく売れるものだと考えられてきました。しかし、実際の売場では、酸味がなく、甘いだけのトマトばかりが売れたといいます。
河村さんはそのような、お店のリアルな声や商品の売れ行きを農家さんに伝え、生産者と消費者のパイプ役であり続けました。
お客様の「おいしい!」を農家さんの「嬉しい!」に繋げてきたわけですね。

「野菜ソムリエの店 のら」を経営する一方で、農業界のために、もっと自分に何かできることはないか、と考えた河村社長が、次に目指したものは、生産者とシェフのパイプ役でした。産地直送のこだわり野菜をレストランで使ってもらうのです。
しかし、これには多くの課題がありました。
その大きなものとして、以下の3つ挙げられます。

  • いつどんな野菜がどれぐらい出荷されるかわからない
  • ロットが小さすぎる
  • 物流方法がない

これまで、これらの課題が解決できず、産地直送レストラン自体を諦めていくシェフが多いのが現状でした。
河村社長は、試行錯誤の末、web上にバーチャルの市場を作ることによってこれを解決しました。この受発注システム上で、全国の農家さんは、近々収穫できる商品とその個数、売りたい金額を入力します。一方、飲食店は一週間後に使う商品と数量を入力し、注文します。一週間後の使用予定数量ですが、納品日の前日まで数量を減らすことができます。これは河村社長が青果物販売の実店舗を持っているからこそ可能な対応です。
余った商品は実店舗で販売できるからです。
このシステムに賛同して、現在では全国3000名の生産者のネットワークがあり、常時80~100種ものアイテムを提供できるのだそうです。

実店舗の経営でも、バーチャル市場の運営においても、河村社長は、常に生産者と買い手の声を素直に聞き、現場主義であり続けました。
そして、業界の常識として「不可能だ」とされてきたことに対して、常に前向きに取り組んでこられました。その結果として、現在があります。

今後、東京進出や人材育成の取り組みなど、新たな事業も計画されているようで、今後の農業界にどんなポジティブなエネルギーを注いでくれるのか、期待が膨らみます^^

 

ドクター・オブ・ジ・アース株式会社
〒578-0965 大阪府東大阪市本庄西1-7-3
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